傷だらけの君は
「......じゃあ僕の部屋も、変なことで謝ったら出禁にしよーっと」
「そ、それはやめてください」
残された沖田さんとあたしは誰も来ない医務室に居ても仕方がないので、二人で縁側に出た。
「沖田さんの部屋に入れなくなるのは嫌です」
「寝る場所がなくなるから?」
寝るだけだったら、沖田さんの部屋じゃなくてもいい。
縁側でも、庭でも、もちろん蔵でだって寝ることはできるから。
……あれ、じゃああたし何が嫌なんだろう。
説明しろって言われたらなかなか言い表せないけど、
なんだかこう、落ち着かない。
あたしは沖田さんの部屋で過ごしている時のことを思い出して、ひとつの答えを自分なりに導き出した。
「……たぶん、心地いいんだと思います」