傷だらけの君は
弐ノ巻
「たしか、この辺り……」
手元の紙から顔を上げ、辺りを見回した。
まだそれっぽい長屋は見つからない。
この地図、ちょっと雑だな。
京の町はただでさえ複雑なのに。
人知れずため息をつき、再び歩を進める。
足は、五日で歩けるようになった。
その二日後には、完治した。
治りが他の人より少しだけ早いのも、あたしが化け物って呼ばれる理由の一つ。
もう一つは、
あたしには傷を治す力がある。