傷だらけの君は
「......分かりません」
だけど沖田さんの言葉を聞いても驚くことはなかった。
自分でも怖いほど、もう関心がない。
ついこの間まで共に過ごしていた人なのに。
あたしはこうも無感情になれてしまうものなのか。
「そう」
「やっぱり、あたし、おかしいですよね」
あたしはこの能力について、たびたび「化け物」と呼ばれるけど
本当に化け物なのは......もしかしてあたし自身なんじゃないか。
感情を持たない、化け物。
「......うん、そうだね」
沖田さんはゆったりと団子を食べながら、月からあたしへと視線をながした。
「今まであんな奴のことを気にかけてたことが、僕はおかしいと思うよ」
「へ......」
「もう楽になっていいんじゃない」