傷だらけの君は
「古高ぁ」
ぐいと強い力で後ろに引かれたと思ったら、誰かの身体に密着するような形になっていて。
誰なのか確認する前に男の人が苦しそうに呟いた。
「ちくしょう、鬼のおでましだ」
「ふん。俺がいない間になにやら親しくなってるじゃねぇか」
土方さんは顔についた血......おそらくこの人の返り血を拭うこともなく、にたりと笑った。
「俺もまぜてくれや」
どうやら男の人は古高という名らしい。
聞いてもピンとこないけど、どこか胡散臭い雰囲気の古高さんは......今も土方さんとにらみ合っている。
「古高、こいつを使わせてやる」
「......本当か」
古高さんと目が合ったと同時に、土方さんはあたしを持って一歩身を引いた。
「だがてめぇが先だ。なあ、あの弾薬はお前一人のもんじゃねぇだろう?吐け。吐けば傷も治してやるし、これ以上悪いようにしない」
「......俺たちは正しいことをするまでだ」