傷だらけの君は
二階まで登り切って、手前のふすまに手をかける。
勢いよく開けば、そこには沖田さんがいた。
部屋のいたるところに、人と刀と血が散らばっていた。
きっと沖田さんがやったのだろう。
その人たちからすこし離れたところで、沖田さんが苦しげに膝をついていた。
手で押さえている口からは、赤い血があふれ出していて。
「……っ沖田さん!」
そばに駆け寄り、その身を支える。
血色をなくした沖田さんの顔は、生きているのが不思議なほどで。
うっすらと開かれた鋭い眼差しが、あたしの瞳のなかに飛び込んできた。
刀に伸ばしかけた手を止めたのは、相手があたしだということに気が付いたからだろう。