傷だらけの君は
さっきまでの眼差しは、夢から覚めたような目にかわって。
「なん、で紅がここに……ごほっ、ごふ」
「また血が……!」
吐き出された血の塊が、畳の色を変えていく。
「いま治しますから……!」
気がつかなくてごめんなさい。
ずっと一緒にいたのに。
もっと早く気付いていれば、沖田さんはこんなに苦しまなかったはずなのに。
顔に触れようとしたら、寸前でその手を掴まれて。沖田さんは血でぬれた顔をあげた。