傷だらけの君は
「僕の病気のこと聞いたんだね。あれほど言うなって言ってたのに、山崎くんはほんと紅に甘いんだから」
「山崎さんは悪くありません。あたしが全部悪いんです、あたしが……」
「悪い癖。いつも言ってるでしょ、紅はなにも悪いことはしてないよ……げほっ」
まあ、ここに来たことはちょっと怒らないとね。と沖田さんは笑った。
無理して笑っていることは明らかで、あたしの目から何かが落ちた。
「泣かないで」
「だって、」
「大丈夫だよ、今日はまだ死なない。そんな気がするんだ」
そんなの分からないのに。
青白い君は、紅色に染まりながら笑う。