傷だらけの君は
「大丈夫か二人とも!」
すぐ後ろで聞き慣れた声と、何人かのうめき声がした。
ふりかえれば、そこには汗と返り血で額をにじませた近藤さんが立っていて。
その後ろには、藤堂さんや永倉さんもいた。
床にはあらたに数人、臥せっている。
今しがた襲いかかってきた人たちだということは、すぐに理解できた。
「なんで紅くんがここにいるのかは分からないが、酷いけがじゃないか!」
「それ、俺たちのだよ近藤さん」
彼らの会話がものすごく遠くに感じる。
あたしは朦朧とする意識の中、近藤さんの羽織をつかんだ。
「近藤さん……沖田さんを助けてください!」
腕の中の沖田さんは、依然として青白く息苦しそうだった。