傷だらけの君は
「聞いてんのか?」
「えっと、土方さんですよね?」
「はぁ?」
「あたしに優しいから……」
「喧嘩売ってんのかてめぇはよ」
土方さんの眉間にしわが寄った。
その顔には、いくつもの切り傷が刻まれている。
「あたしはもう大丈夫です。けど、」
無意識のうちに土方さんの顔に手を伸ばす。
土方さんはあたしのしようとしていることに気付いたのか、手を払いのけられた。
「俺だって大丈夫だ。よけいな心配すんな」
「……はい」
「それより、こんなとこ見られたらまずいやつがいるんじゃねぇのか?」