傷だらけの君は
壱ノ巻
「お前なんか用済みだ。この、化け物」
薄暗い長屋。
その中に横たわるのは一人の少女。
足からだらだらと流れる血を、ただじっと見つめている。
いま、男に言われた言葉なんて特に気にしていない様子だった。
かといって負傷した自分の足を気にしているようでもない。
何も映らない瞳を男に向けて、少女はほほ笑んだ。
「――――お大事に。」