傷だらけの君は
どれくらいの間、そうしていただろう。
突然沖田さんが咳き込みだした。
「お、沖田さっ……、っ!」
顔を上げる。
目の前に広がる光景は、信じられないものだった。
ひどく咳き込んだ沖田さんは、いつものように血を吐く。
青白い顔を歪めて苦しそうにしている。
――――はずなのに。
「沖田さん、それ……」
沖田さんは血なんか一つも吐いていなかった。
それだけじゃない、顔色が戻ってる。
まるで病に冒される前に戻ったかのように、沖田さんは半身を起こしていた。
「……苦しくない」
自分の身体なのに、自分じゃないみたいで。
沖田さんは何度も手を開閉して確かめていた。