傷だらけの君は


いつまでそうやってんだって、引き起こされて。



「――――……。」


「っ、」



耳打ちされた言葉にハッと振り返った瞬間、





――――トンッ、




その一押しにいろんな想いが込められているようだった。


土方さんだけじゃない。

新選組みんなの想いが込められていた。





『紅はさ、もっと自分に正直になったほうがいいよ。――笑ってるのに、笑ってない。紅の本当の気持ちはどこにあるの?』



あたしに笑顔を教えてくれた藤堂さんの。





『お前は物じゃねぇんだよ!――これから身につけていけばいい。ここで、この新選組で。俺たちと一緒に!』



あたしをもう一度迎え入れてくれた永倉さんの。





『紅が頑張って変わろうとしよることは伝わってきてるで。でも一番大切なことを紅はできてない。――わがままを言うこと。』



自分の気持ちを出せって怒ってくれた山崎さんの。




ここで過ごした日々はどの場面も、どんな会話だって忘れたことはなかった。


それはこれからも……ずっと。


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