傷だらけの君は
あたしを支えてくれた沖田さんの手に、力が込められる。
「永倉泣くな」
「だってよぉ土方さん……こんなの涙なしでは見てらんねぇよ…!!」
元気でな紅、って顔をくしゃくしゃにする永倉さん。
ありがとうなんて、何度お礼を言っても足りない。
「総司」
「……はい」
土方さんの手が、あたしたちの頭の上に乗せられた。
雨はいつの間にかやんでいて、分厚い雲の隙間から一筋の光が差し込んだ。
その光が、土方さんを照らす。
……彼の頬を一筋の雫が伝った。
だけどあたしは何も言わない。永倉さんも、沖田さんも。
次の土方さんの一言を待っていた。
「紅を守れ。生涯をかけて守り抜け。
それが俺からの……いや、
――――……新選組の願いだ。」