傷だらけの君は
「っ本当に気持ちわりぃ餓鬼だ」
そう言い残して、お客さんは足早に去っていった。
先ほどまで血だらけだったその足を動かして。
「餓鬼って……もう十七なのにな」
そんなに子供っぽいかな、あたし。
まあ別にいいけどさ。
あたしも帰ろうっと。
「っ……」
立ち上がろうとした瞬間、右足に激痛が走った。
思わず二、三歩よろけ、そのままぺたんと尻もちをついてしまう。
……これ、折れてるな。
さっきの人、このこと言わなかった。