傷だらけの君は
手を離すと、血で汚れた土方さんの指が覗いた。
ただしその血は、あたしのもの。
あたしの指からは鮮血がにじんでいる。
よかった、傷が治って。
比較的きれいな布で、土方さんについた血をぬぐう。
少し上にある土方さんの顔を見上げて、
ほほ笑んだ。
「お大事に」
土方さんはぴくりとも動かなかった。
ただその端正な顔に似合わず眉をひそめて、こちらを見下ろしていた。
そして口が言葉を発そうと動いた瞬間、
その口から出たのは思いもよらない言葉だった。
「やっぱりてめぇは、好きになれない」