傷だらけの君は
一人、小屋に取り残されたあたしは、その身を起こすことができなかった。
「化け物だなんて、知ってるよ」
その化け物を買ったのは、貴方でしょう?
傷を治すのがあたしの仕事でしょう?
その腕を買われてあたしはここにいるんでしょう?
だったらなんで、
「あたしを使わないの……」
ずっと疑問に思っていた。
あたしのことを使うのは隊士だけで、
局長、副長、副長助勤の人たちは一切使おうとしない。
まるであたしの能力を忘れているかのよう。
あたしを新選組に引き入れた土方さんまで、ああも嫌な顔をする。