傷だらけの君は
団子?
……あ。
あたしの口に触れた団子。
たぶんそこまで気にすることでもないんだろうけど……
それを藤堂さんに食べられてしまうのはなんだか、すこしだけ恥ずかしく感じてしまった。
こんな些細なことを気にするのは、一体いつぶりだろう。
……あと、本当に、本当に申し訳ないんだけど、
純粋に久しぶりの団子を口にしたかった。
「いただきまーす」
「あっ」
「んんー?どしたの?」
お団子が藤堂さんの口に入る寸前に、あたしは声をあげてしまって。
それに反応した藤堂さんがぴたりと動きを止める。
素早い反応で、こうなることがまるで分かっていたかのようだった。
「ええと……」
どうしよう。なんて言ったらいいだろう。
気にしすぎだって思われないかな。
食い意地張ってるって思われないかな。
「あと三秒で本当に食べちゃうよー」
……ええいままよ!
「その団子、あたしにも分けてくださいっ」