傷だらけの君は
頭に手をおかれて、優しく撫でられる。
その温かさにまた少し涙が頬を伝う。
さっきまで氷のように冷えていた心が、じわりじわりと溶かされていく。
「泣き虫」
柔らかななにかが頭からかけられた。
それは、沖田さんの羽織だった。
「すぐ終わるからさ、それ預かっててよ」
邪魔なんだ、と肩をすくめた沖田さんは一歩前に出て、あたしと男たちの間に入った。
「総司、どうだ」
「ええ土方さん。僕一人で十分です」
すらりと抜いた白刃には、恐怖に顔をゆがめる男たちが映っていた......