傷だらけの君は
伍ノ巻
「あの、本当によかったんでしょうか」
「別にいいんじゃない?近藤さんがそう決めたんだし。」
それはそう、なんだけど。
「沖田さん嫌ですよね。あたしとかと同室なんて」
新選組に戻ってきたあたしは、近藤さんのご好意により部屋を移ることになった。
『もう我慢ならんぞ!女子なのに、小屋生活はあんまりだ!これを機に!生活に質を!!』
なんて泣きながら言ってくれた。
だけど本当に部屋がどこも空いてなかったらしく、悩みに悩んだ末。
『じゃあ部屋が空くまで僕が預かりますよ。紅も慣れてるだろうし』
慣れてるってなんだろう、と思ったけどその疑問は沖田さんの部屋に入った瞬間、すっと消え去った。
沖田さんの部屋はあたしが初めてここに来たとき、治療のために使わせてもらっていた部屋だった。