哀しき野良犬
だが父親に、娘の幸せを願うなら身を引けと言われたら、やはり身を引くのが彼女の幸せではないだろうか。
分不相応の恋というものは、今の時代でも有り得ると思う。

「今日はこのまま帰ります」

俺は父親にそう告げてその場を立ち去った。

何とも言えない自己嫌悪に見舞われた。

俺はこの2ヶ月間、本当に真面目にやって来た。
だが世間に言わせれば 「たったの2ヶ月」 だ。
なぜ認めてくれないのかと思う俺のほうが虫が良過ぎるのだろう。
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