妄想の恋が実現した結果。
幸せ
そしてあの日から1年たったある日。
「綾斗!!どうしよう、寝られない…」
「俺も寝られない…」
ともぞもぞと手を伸ばしてくる。そしてまた私たちは一つとなった。
というかあの日の夜からほぼずっと毎日だけどね。
「もう、綾斗…明日は大事な日なんだよ?
明日寝坊したら大変じゃない。」
「そんなの明日ちゃんと起きればいいだけだろ。ほら寝るぞ。」
綾斗の腕の中だとずぐに寝ることができた。
あ、綾斗が俺って言ってたでしょ?
綾斗って実は俺様で俺って言うんだって。もちろん私の前だけね。
そして次の日…
「ふう、大丈夫、大丈夫。」
「お嬢様、いい加減落ち着かれたらいかがですか?」
「そうだぞ、せっかくブスがこんなにきれいにしてもらってるんだから崩れたらもったいない。」
コラッ!と痛そうなげんこつが奏太の頭に降りかかる。
「っていうかなんで奏太がいるのよ!」
「ああ、これを綾斗に頼まれてたんだ。ほら、これ。」
二人で初めてショッピングモールに買い物に行ったときに買ってもらったネックレス。
指輪は前にもらったんだけどネックレスだけもらってなかった。
「奏太、ありがと。じゃあ戻っていいよ。おつかれ。
鏑木もそろそろ行って。始まるよ?」
そして私は綾斗からもらったネックレスを身に着けお父様とバージンロードへ。
「お父様、今までありがとうございました。」
そして綾斗の隣へ。
誓いのキスをし、みんなのほうを見る。
無事ともに大学を合格した親友、遥香が来てくれた。
「香織、おめでとう。幸せになってね。」
そしてブーケを投げる。
すると参加していない詩織の手元に落ちた。
実はあの後、お見合いをする必要がなく、お互いが一目ぼれということで付き合っている。
もちろん奏太はベタ惚れ。たまに吐きそうになるぐらい。
詩織とはあれからだいぶん仲良くなりお互いのことを呼び捨てで呼んでいる。
「詩織~!つぎに幸せになるのは詩織だよ~!」
するととってもかわいい笑顔でありがとう~!といってきた。
多分結婚のプロポーズを受けたばっかりなんでしょ。
あ、もう幸せになってる…遥香のほうに投げればよかった。
「あ、今遥香のほうに投げればよかったとか思ってるでしょ!」
おおーご命中。詩織さんはエスパーかね…
「もう!香織、詩織!私は十分幸せです!!」
現在遥香は大学の先輩と付き合っている。
そして意外だったのは実は詩織と遥香は知り合いだったそう。
いやー世間って狭いね!
「こら、香織。僕を置いていかないで。」
後ろから綾斗に抱きつかれる。
「ご、ごめんってもうすねないで綾斗?」
「じゃあ香織がキスしてくれたらすねるのやめる。」
ええ~!いま、この状況で!?
「さあどうぞ香織さん。私たちはみませんから~!」
なんて茶化されたけどこのまま綾斗の機嫌が悪いのも嫌だからキスした。
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