妄想の恋が実現した結果。
「ところで大学ではなにを専攻してるの?」
「万が一に備えての経営学です。
そういえば綾斗さんはおいくつなんですか?」
「君の一つ上の23。それと、敬語はやめてくれないか?」
「え、でも…」
「いいから。それと僕のことを綾斗って呼んで?」
「あ、綾斗…」
恥ずかしい。恥ずかしすぎる…
「香織ちゃん、この後レストランを予約してるんだ。
そこで夕食でもいい?」
「はい、じゃなくてうん!
そこまでしてくれてありがとう!」
この後同居記念ということで指輪とネックレスをもらった。とってもかわいい。
そしてケンカもなく結婚相手が綾斗でもいいかな~と思っていたある日の休日。
「香織ちゃん、お父様から実家に来るようにだって。」
「わかった!じゃあ準備してくるね!」
「送ってくよ。でも一人でこいだって。」
一人は嫌だな…やっぱり脱走したこと怒ってるのかな…
「お父様、香織です。」
「ああ、入ってくれ。」
お父様の書斎に入る。
「香織、やっぱり結婚は破談にしよう。」
「なんでですか!?」
「やっぱり香織は香織が想っている人と結婚してほしいんだ。」
「そうですか…考えてみます…」
まさかあんなことをいた割れるとは思ってなかった…
もし破談になって別々の生活になったら?離れられないかも…
綾斗のあの優しくて暖かい温もりが離れて行っちゃうの?そんなの耐えられない…
これって綾斗のことを好きってことじゃないの…?
「ただいま。」
「はい、そうですか。失礼します。」
え、待って、今のもしかしてお父様!?
「あ、綾斗、今の相手は…?」
「おかえり。君のお父様だったよ?」
「ねえ、お願い!破談になんてしないで!
お願い!我儘だけど好きな人と一緒に幸せになりたい!」
「香織ちゃん!?どうしたんだ!?
さっきの電話は一週間後に婚約披露パーティーについて打ち合わせしていただけだよ!?」
な、なんだ…お父様がもう綾斗に伝えたのかと思った…
それにいつの間にか泣いていた。
「香織ちゃん?好きって言ってくれたの本当?」
あ…流れに乗って言っちゃった…深く反省してます…
「ご、ごめんなさい…迷惑だよね…」
「いや、むしろうれしい事だよ!」
そう言われ気づけば綾斗にお姫様抱っこされていた。
「あ、綾斗!?」
「うれしいよ香織ちゃん!
好きって言ってくれてありがとう!」
< 4 / 13 >

この作品をシェア

pagetop