シンデレラと野獣
平穏無事に仕事を終えて、帰宅すると先日購入してもらった大量の品物がリビングに届いていた。
「優香さん!すごいね!これ」
興奮気味に華がはしゃいでいる。
「ね、すごいよね。私もびっくりしちゃった」
「開けてみようよ!」
やはり女の子だ。大量のプレゼントの山に、ワクワクする気持ちは大いにわかる。
実際に、優香も引け目は感じてはいるものの、大量のプレゼントの山に若干心が躍っていた。
「いいね。一緒に開けてくれる?」
「いいの?」
「うん。一人で開けるの大変だから、手伝ってくれると嬉しいな」
「やったー!お部屋まで運ぶの手伝うね。こうちゃん今仕事に行ってていないから」
そこまで聞いてハッとした。
「華ちゃんが荷物受け取ってくれたの?」
小学生の女の子がこの荷物を受け取るのは大変だっただろう。大人が運ぶのにも一苦労する量だ。
「大丈夫。配達の人に運んでもらったから。それより、早く運んで開けようよ!」
「ありがとう。華ちゃん」
「いいえ。あと、お願いがあるんだけど、このメイク道具で私もちょっとメイクしてもいい?」
狙いはそこだったようだ。優香はくすりと笑って「いいよ。一緒にメイクしようか」と提案した。
「やった!こうちゃん帰って来るまで、時間がまだあるから、早くいこ!」
華が浮かれ気味に言い、小走りで荷物を運んで行った。