†私の初恋レシピ†
「ヤヤも早く彼氏つくりなよ〜!あ、出来たときはすぐ言ってね?一緒にダブルデートしようよ!!」
そんなふうに私を急かしてくるのは、友達の七海チャン。
高校生になって、初めて出来た友達。
七海チャンは高校入ってすぐ、同じクラスの山下君と付き合いだした。
二人はスッゴク仲良しだから、昔っからの知り合いのように見える。
実は、私が恋をしてみたいと思い始めたキッカケともいえる憧れのカップルでもあるんだ。
「私はまだいいよぉ。」
さりげなく違う話に、もっていこうとしてみるけど、七海チャンはなかなか話をかえさせてくれない。
「な〜に言ってんの!ヤヤはね、ちっこいし細いし何より、そのどこか大人びてんのに笑顔は無邪気な顔!!モテる要素イッパイあんのに、気付いてないとは言わせないよ〜?」
と言ってズズイッと私のでこを指で突っついてくる七海チャン。
「いったぁい!!もぅ、私のどこがモテる要素なんだよぉ・・・」
「だーから、そういうチョットした仕草や喋り方に、男はそそられんの。」
本当に少し痛くって、軽く半ベソかいてる私の頭を、ペシッと後ろから叩いてきたのは、七海ちゃんの彼氏の山下君。
「え、なっちん(山下君のあだ名)はこういう子が好きなの?!うわー、ヤヤがウチのライバルになるとは思ってもみなかった・・・」
そう言って、悲劇のヒロインみたいな泣き真似する七海チャンに、
「いや、俺はナナにしかそそられない生き物だから。」
と言ってケラケラ笑う山下君。