†私の初恋レシピ†
「下は?」



デッカイの・・・じゃなくて日南田先輩が、私の目線まで腰を下げて聞いた。



「稍乃です。あ、一年です。」



私が言うと、先輩はまたフッと笑った。



「見たらわかるよ。しっかし、ちっさいなぁ〜。何センチ?」



笑われて、なんだかバカにされたような気分になった私は、ぷ〜っと頬っぺたを膨らませて足元を見つつ応えた。




「148センチです・・・・」




「ええ?!そんな無いの?ヤベェ・・・俺と40センチくらい差があんじゃん!



その言葉に、
私は目が点になった。



昔っからチビ、チビ言われてきたけど・・・・まさか一つ歳違う人に40センチも差つけられるなんて。




「・・・はぁ。   あ!!」



バッ



私は自分の口を咄嗟に塞いだ。



心の中だけでついたはずの溜め息が、あまりのショックで声になってしまっていた。




「・・・ップ!そんなに落ち込むかぁ?」



当たり前ながら、笑われた。



「だーいじょうぶだって!俺、一年の初めは152だったんだからな?」



「えー?!?!」



「今、この顔で?って思っただろ?ま、そのとーりなんだけどな!」



そう言って先輩は笑った。



その時・・・・キーンコーンカーンコーン




「「ぁああああぁぁあ!!」」



「ヤッベェ!急げ!!」




私達はヤバイヤバイと走りながらも、自然と顔は笑っていた。



途中で先輩と別れて、私はギリギリ間に合った。





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