俺が好きって認めれば?【完】
「…言い方が少しきつかったのは、謝る」





そう言って恭哉君は、気まずそうにそっと私から手を離した。





「恭哉君…」


「なに」


「さっきは、ほんとにありがとう」





そんな言葉と共に、優しくギュッと、恭哉君の手を握った。





まだお礼も言えてなかったし、あの時は本当に恭哉君が助けてくれなかったら、どうなってたことか。


感謝してもしきれないくらい、恭哉君には感謝してる。





それに…あの恭哉君が、私なんかのことを心配して、怒ってくれるなんて。





…私、ちょっとだけ、自惚れちゃってもいいよね?





嬉しくて、笑顔を抑えきれないよ。





恭哉君は一瞬驚いたような表情を浮かべたが、直後、「フッ」といつもの笑みを浮かべた。





「なあ恵那」


「なに?」





そして恭哉君はニヤリと口元を歪ませ言った。
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