俺が好きって認めれば?【完】
「恵那」


「なにっ!?」





ちょっと怒った様子で、勢いよく振り返る。





すると…





「またな」





そう言って、恭哉君は優しく微笑んだのだった。





「ま、また…」





途切れ途切れの言葉で何とかそう返すと、私は逃げるように保健室を後にした。





…最後のあれ、なによ。


反則じゃん…。





あんなに優しく笑うなんて、ずるいよ…ばかっ!





一段と胸の高鳴りを感じながら、傘のない私は走って、家まで帰ったのだった。
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