俺が好きって認めれば?【完】
「ったく恭哉は鈍感さんだな~!大切なものほど、近くにあるって言うのに、分かんないのかよ!」


「は?さっきから何が言いたいんだよ。言いたいことあるなら、ハッキリ言え」





俺は眉間にシワを寄せつつ、席を立ち上がり、いじける素振りを見せる遊を見下ろす。





すると遊は、わざとらしく大きなため息を吐く。





そして少し怒った様子で俺を見つめ返す。





「恵那ちゃんのことだよ!さっきも話してたじゃん!もう忘れちゃったの!?」


「はあっ?なんで今恵那の名前が出てくるんだよ」





さっきも言ったと思うけど、俺は別に恵那のこと好きじゃないし、俺が何をしようと関係ないだろ。





遊は何でそんなにさっきから、恵那の名前ばっか出すんだよ。





「ほんっとにお前はバカだな!」


「あ?おい遊。誰がバカだって」


「だーかーら恭哉はバカだっつってんの」





そう言って遊はフンっとそっぽを向いた。





さっきから何に怒ってんだよ。


ほんと、意味分かんねー。
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