俺が好きって認めれば?【完】
「…恭哉君はさ、いつも平気な顔して酷いこと言うよね」


「だったらなに?」





突き刺すような冷たい声を私に向ける恭哉君。





それはズブリと私の胸に突き刺さり、酷く痛く感じた。





「恭哉君のこと少し見直してたのに…本当は優しくて、いい人だって思ってたのに」





「それはお前が勝手に勘違いしてただけだろ。俺はいい人なんかじゃない」





否定もせず、自分をあざ笑うかのような表情を浮かべる。





「恭哉君のこと、見損なった…。いい人だって思ってたのは、やっぱり私の勘違いだったんだね」





…!


違う…!そうじゃない、そうじゃないのっ!





私の勘違いなんかじゃないっ


恭哉君は本当に…本当は…。





自分の気持ちとは裏腹に、心にもない言葉が口から出てしまう。
< 281 / 384 >

この作品をシェア

pagetop