俺が好きって認めれば?【完】
聞いたこともない大きな舌打ちと乱暴な口ぶりだった。


そして、キッチリ結んでいたネクタイを緩め、慣れた手つきで制服を着崩す。





目つきも鋭いものへ変わり、眉間には大きくシワが寄っていた。





「チッ、時間無駄にしちまった。これで全部計画が台無しじゃんかよ」





私は目の前で起こる、目を疑う光景に茫然としていた。





いつもの隼人君からは想像出来ない豹変っぷり。





優しい雰囲気は一変し、ガラの悪い雰囲気を醸し出す。


聞いての通り口も悪くなり、素直で純粋だった隼人君の面影が全くない。





「あっ、あの隼人君…?どうしたの?それに、計画って…一体なんのこと?」





私は恐る恐る苛立ちを見せる隼人君に声をかける。





「はあっ?まだ気づかないんすか?俺は先輩のこと、利用しようとしただけなんですけど」





「えっ、利用…?」
< 298 / 384 >

この作品をシェア

pagetop