俺が好きって認めれば?【完】
「先輩が佐伯恭哉と付き合ってると思ったから、あいつから奪ってやろうと思ったんですよ。ったく、最悪。全部無意味だったじゃねーか」





隼人君の信じられない言葉に、頭がついていけない。





どっ、どういうこと…!?


私を奪うって…


それにさっきから隼人君の様子がいつもと違うし…





「隼人君どうしたの?さっきから様子がおかしいっていうか…」


「だーかーら!これが俺の素ね。先輩に近づくために、演技してただけだっつーの。そんなことも分かんないんですか?」





面倒臭そうにそう言う隼人君は大きなため息を吐く。





「言っとくけど、先輩のこと好きとか全部ウソだからね?マジになんないでよね」





「…どうして、そんな嘘ついたの?なんで、私を利用したの…?」





「俺はな、中学ん時あいつに彼女取られたんだよ!だから仕返ししてやろうと先輩に近づいたんだよ。あいつの彼女を俺が奪えば、同じ苦しみを与えられるかと思ったのに…アンタのせいで全部台無しだわ」





そう言う隼人君の目は見たことないほど冷たく冷え切っていた。
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