俺が好きって認めれば?【完】
「恭哉君にあんなこと言われて、変に意地張ってた…。ムキになって喧嘩腰になって…ほんと私ってバカだよね。呆れられて当然だよね」





「…」





「とにかく…私はちゃんと謝りたかっただけ、だから…もし恭哉君が許してくれるって言うなら…ううん、ごめん。やっぱなんでもない、そろそろ切るね」





言いたいことはちゃんと言えた。


…言えたよ、ちゃんと…。





仲直りしたい。





前みたいに一緒に話したい。





そんな虫のいいこと私から言えないよ…っ。





だからこの思いは私の胸の中だけにとどめておくんだ。





私は、フゥと小さく息を吐き、スマホを耳元から離す。





…最後に一言くらい、声聞きたかったな。
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