俺が好きって認めれば？【完】

「それはお前が…」





「え？なに？」





余りにも小さな声でよく聞こえない。





恭哉君の方へと耳を傾け、一歩前へ乗り出す。





「だから、お前が騙されてるって知ったら、傷つくと思って言わなかったんだよ」





気まずそうに投げやりな口調で言うと、照れ隠しか、私のおでこにデコピンをしたのだった。





「いたっ！えっ、じゃあ、私が傷つくと思って、言わなかったの？」


「…2度言わせんな」





なんだ、そうだったんだ。


言わなかったのは、恭哉君なりの優しさだったんだね。





「恭哉君って不器用なんだね」





「あ？なに笑ってんだよ」