俺が好きって認めれば?【完】
楽しそうに談笑する声が聞こえ、目を向けると私は足を止めた。





「どうした?」


「あ、あれって」





そこには隼人君と、その友達らしき人がいたのだ。





よりにもよって、どうしてこんなタイミングで会っちゃうのかな~…。





そして隼人君は私たちの姿に気づき、会話を中断させると、近くまで寄ってきた。





「あれ?誰かと思えば恵那先輩じゃないですかっ♪どうしてこの男と一緒にいるんですかっ?」





その作り笑顔からは一種の嫌悪感を覚え、強張った表情を浮かべてしまう。





「もしかして俺のこと騙して本当は付き合ってたとか?」


「ち、違うっ!恭哉君と私は付き合ってない、からっ」


「付き合ってもないのに2人でいるって怪しいですね♪あっ、もしかしてこの男の❝そういう❞お友達ですか?あはははっ」


「きょ、恭哉君もういこ」





私は恭哉君の制服の裾を掴み、この場を離れようとした。





「あんな言われっぱなしで、いいわけ?」


「いい。気にしてないから」





私が我慢すればいいんだ。


気にしなきゃいいだけなんだから。
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