Silver Night-シルバーナイト-




梓達三人はもちろん朝から登校らしく、今日は佑衣と二人で行く。




他にも颯や数人のシルバーナイトメンバーが同じ学校らしくて、皆んなの教室に行く事を約束した。





特に楽しみなのが、颯がバンドとしてステージに出るんだとか。



それが楽しみで仕方ない。




「着いたよ」



伊吹さんに言われ、窓の外を見るとそこには別世界が広がっている。




「ありがとうございました」




佑衣と車から降り、ワクワクした気持ちを押さえるようにして歩きだす。



「楽しみだなー!」



「うん、楽しみ」



校門へと入れば、コスプレをしている人や制服をオシャレに着こなしている人。楽しそうなカップルや一般人の姿。




驚くほど大きな音楽の音や、美味しそうな香ばしい香りなんかもしてくる。




佑衣に手を引かれ進んで行くと、校舎へ入る少し手前の柱辺りで見覚えのある人物が目に入る。




無造作にセットされた金髪のメッシュ、見慣れた制服の着崩し方。




そして信じられないくらい男にも女にも注目を集めているその人物は、そんなの全く気にしていないのか…呑気にポケットへと手を突っ込んでいる。





「ねぇ佑衣、あれ琉聖じゃない?」




隣の佑衣に柱の方を指差して聞くと、佑衣が私の手に合わせるようにして視線をズラしていく。






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