Silver Night-シルバーナイト-
「久しぶり」
そう言って小さく笑えば、悠真も優しげに目を細め笑ってくれる。
横からは、未だに梓の視線が感じたけれど…私はそれに気が付かないフリをして話を続けた。
「そういえば、何でここにいるって分かったの?」
「あぁ、GPSだよ」
思い出したかのようにそう聞けば、当たり前かのように悠真がケロっと答える。
「そっか、だから分かったんだ」
そういえば何かあった時のためって事で、GPSの付いたクマのキーホルダーをもらって携帯に付けたんだった。すっかりそんな事忘れてた。
「えぇ!?嘘でしょ?悠兄女の子の事GPSで監視してるの!!?」
いきなり聞こえてきた大きな声
それに驚いて思わずビクッと肩が小さく揺れる。
それは紛れもなく私達の後ろにいたひなのさんの声。
「それはありえない!最低!!莉愛ちゃん可哀想!!」
「は?お前に関係無いだろ」
怒ったように悠真を睨み付けるひなのさんに対して、悠真は眉間にシワを寄せて低い声で言葉を吐き出すと腕を組んでひなのさんを見下ろす。
悠真…妹さんには冷たいんだ…
いつもは優しいのに。