Silver Night-シルバーナイト-

これが普通の感情だ…とは思わないけれど。



恋愛が辛いモノなんだとは理解したつもりだ。




それなのに、全て琉聖に見透かされている自分が情け無くて滑稽だった。



「お前って、もっと無頓着で冷静なヤツかと思ってた」



無頓着で冷静…



きっと琉聖の言っている事は間違ってない。




今まで何事にも関心なんて示さなかったし、執着だってしたこともない。



それこそ喜怒哀楽を他人に分かりやすく表現したことだってきっと無かったと思う。






……だけど、きっと今の私は昔の私とは何処か少し違う。





「けど、実は意外とそうじゃなかった」



「…………」



「今の自分をどう思ってるか知らねェけど、俺はそんなお前も良いと思う」



「………いい…？」



「何かに必死になるって、悪くねェよ」



切れ長の瞳を細めて笑う琉聖は、もしかしたら私の一番の理解者なのかもしれない。


私の心を読むのが上手いし、私が伝えていないことだって分かってしまう。



それに、私自身気が付いていないような事に気がつく琉聖は…よく周りを見ているんだと思う。



そう思ったら、何故だか少しだけ心強くなった。