Silver Night-シルバーナイト-
「悪い」
「え?」
頭上から聞こえてくる梓の声は、少しだけ力なく私に降ってくる。
「窮屈な思いさせて」
ゆっくりと上を見上げれば、いつも皆んなといる時の素っ気ないような雰囲気ではなく…私を優しく見つめてくれている。
「そんなことない」
だってさっきだって、私を守るために店から出たんでしょう。
それに今も、
こうして肩を抱くのは私を守ってくれてるからなんでしょう。
それが梓の優しさだって分かってるよ。
「だから、そんな事言わないで」
目尻を下げて小さく笑って見せれば、梓もそんな私を見て切れ長な目を細めて笑ってくれる。
「お前といると安心する」
「……安心?」
「あぁ、何か癒される」
口角を上げながら私を見下ろしてくる梓は、やっぱりどこからどう見ても色っぽくて魅力的で
そんなこと言われたら……どうにかなってしまいそうになる……