Silver Night-シルバーナイト-
だってそれに、
安心してるのも
癒されてるのも
…………それは私の方だ。
私の方が、梓のおかげで安心できてるしずっと癒されてる。
だから、梓からそんな言葉をもらえた事が嬉しくて、嬉しすぎて
思わず少しだけ泣きそうになった。
「梓 前に私に聞いたよね。お前の逃げ道はどこだって」
梓は一瞬キョトンとして見せたけれど、それもすぐ元の顔付きに戻って再び私を見つめる。
「あの時私は分からないって答えたけど、今ならわかる」
あの日始めて梓の家に行った日、彼は切なげな顔で私に質問してきた。
「私の逃げ道は今、こうして皆んなといること。梓と一緒にいられること」
「……」
「それが私にとっての、唯一安心できる逃げ道なんだと思う」
梓にさっきの言葉を言われて分かった。
私にとっての皆んなは、こんなにも大切で安心できる存在なんだ。
辛いことがあっても、皆んながいるから…梓がいるから頑張れる。
心の支えであり、それが逃げ道なんだ。