Silver Night-シルバーナイト-
とくに梓は……
私にとっての特別。
初めてそう思えた相手。
「私も、梓に癒されてるよ」
「…………」
「それに、ずっと一緒にいたいって思ってる」
思わず口から出てしまった素直な感情に、少しだけ頬が火照っていくのが分かる。
それを隠すようにして右手で押さえれば、やっぱり頬は熱を持っていて
「……俺は」
そんな梓の声が頭上から降ってきた時
「おまたせー!!」
いつもながら元気の良い佑衣の声が辺り一面に響いて、梓は言おうとしていた言葉を飲み込むようにして黙り込んだ。
いつのまにか梓の腕も私の肩から離れており、佑衣の後ろからは琉聖と悠真も顔を出す。
そんな悠真と目が合い、悠真は私の隣まで来ると「ごめんね、タイミング悪かった」と困ったように小さく笑った。
「ううん、大丈夫」