Silver Night-シルバーナイト-



正直、さっきの梓の言葉が気にならなかったわけではない。



だけど、あの続きを聞く勇気は私にはいつだってないんだ。



初めて会った時からそうだ。



何故、梓は私に優しくしてくれるのか……正直分からなかったから。



「守る」と言ってくれた梓だけれど、いくら颯を助けだからと言って会って間もない私に何でそんな事を言ってくれたんだろうって思う。



梓は優しいから……



きっとそれが私じゃなくてもそうしてた。




他の子が颯を助けて同じ立場になったとしても、きっと今の私と同じ扱いをしていた……


それに、さっき私はずっと一緒にいたいと思ってるって言ったけど…黒雅の事が終わったら…きっと一緒にはいられなくなる。



そう思うと胸がはち切れそうで、だけどまたこうしてウジウジ考えている自分も嫌で仕方ない。


私だけに優しければいいのに……なんてまるで子供みたいだ。





何度も何度も解決のしない事ばかりが頭の中をグルグルと駆け巡っていて、怯えてばかりでちっとも行動をおこそうとしない自分に嫌気が指してくる。



「………どうしたら良いんだろう」




そう小さく呟けば、隣にいた悠真が「莉愛ちゃん…」と微かに私の名前を呼んだのが聞こえた。




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