Silver Night-シルバーナイト-
男達の足はやはりそのまま真っ直ぐと進み、私達の5メートルほど前でピタリと綺麗に止まった。
目の前には、派手な髪色をした二人の男。
その後ろにも数人男がいるのが見える。
そのうちの一人には確かに見覚えがあった。
あの日、黒雅がシルバーナイトの倉庫に来た時。
梓を鉄パイプで殴ろうとした人物だ。
つまり…やっぱりこの人達は黒雅ってこと……。
梓達の表情が険しいのも、周りの人達の雰囲気も…。
「どーも、シルバーナイトさん」
先頭にいたうちの一人がそう軽々と口を尖らせながら話したかと思うと、前にいた佑衣が私を隠すようにして一歩後ろへと下り、そして流聖と悠真が両端へと身を寄せる。
「なんだてめェら、こんな所で喧嘩でもうるつもりか」
低く唸るように絞り出された流聖の声は、いつもと違い少し強張っていて…違う人を見ているような感覚になる。
「いーや別に、偶然だよ」
「あ?んなわけねェだろ!」
「単細胞だな」
「何だとコラァッ!」
明らかにキレちゃっている流聖は、今にも目の前の男に噛み付きそうで……黒雅の男も馬鹿にしたような口ぶりでこちらをニタニタと見ている。
だけれど、そんな二人を止めたのは「やめろ」「やめておけ」シンクロした2つの声。
1つは梓の声で……もう一つは……