Silver Night-シルバーナイト-



「…新(アラタ)」



その瞬間、ギュッと私に触れていた梓の手に少しだけ力がこもったのが分かった。




何とも言えないこの雰囲気。

そして独特なオーラ。

間違いなく、 この人は黒雅のトップだ。





それにしても……いくら黒雅の総長とシルバーナイトの総長だからといって、二人は名前呼びをするほど親しいと言うことなのか…。




でも、二つのチームはライバルなはずじゃ……




「珍しいな、お前が女といるなんて」




そう言って漆黒の男は梓を見てから、そのグレーの瞳をゆっくりと私へと移動させ軽く口角を上げた。




「それも、朱音じゃない女」




その瞬間、ただ目の前のこの男を見つめていた私の心臓にギュッと変な力が入る。




それは私にはやけに意味ありげに聞こえて、新と呼ばれたこの男はもう一度私を見ると少しだけ首を傾け小さく笑った。




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