Silver Night-シルバーナイト-
「黒雅は汚いことを平気でするチーム」だと、確か前にそう言ってた。
それを疑う事はないし、実際私自身黒雅に襲われた事だってある。
この人も……そうなんだろうか。
「楽しんでたところ、邪魔して悪かったな」
右手をポケットに突っ込みながらそう言った新と言う男は、ゆっくりと私達へと背中を向け歩き出した。
けれど、その足を数歩先でしっかりと止めると…
「そう言えば、一つ言い忘れてた」
「……………」
「梓…お前は、きっと変わらない」
「……っ…」
「どんなに変わろうとしたって変われない。お前はずっと昔のままだ、誰も幸せになんて出来ない」
「…………」
「まぁそれは……俺も同じか」
何の事を言っているのか分からなかった。分かるはずがなかった。
それでも、あの朱音という子が関わっているという事は……何故だか聞かなくても分かってしまったんだ。