Silver Night-シルバーナイト-
「ほら、戻るぞ。お前一人にしとくと何しでかすか分かんねェからほっとけねェって言ってんだろ」
そう言いながら背中にある扉にさっさと手をかける琉聖は、乱暴げに私の頭をワシャワシャと撫でると口角を上げて呆れたように笑った。
琉聖は、いつも私に気を使ってくれていて…きっとさっきだって様子のおかしい私を心配してすぐに追いかけて来てくれた。
今だってそうだ。
だけど、琉聖はまぎれもなくシルバーナイトの幹部で…皆んなの憧れる人物で……
いくら私を心配してくれるからといって、それに甘えてばかりにもいられない。
特に今日はこんなにも大事件がおきたというのに、シルバーナイトのトップである四人が話し合いをしないわけがないし、私には話さないとかあんなこと言ってたけど…きっと話さないといけない事があるに決まってる。
「琉聖、私もう大丈夫だから話し合いして来て」
「あ?だから話し合いなんかしねェって」
「嘘、四人とも私に気を使ってるでしょ?」
四人とも優しいから、私に怖い話を聞かせない為にとか…きっとそんな理由で私の前でそっち系の話をしないようにしてるのは日頃から気づいていた。