Silver Night-シルバーナイト-
「……どうした」
優しく聞き慣れた低い声。
いつもより穏やかに私へと降ってくる。
目と目が合った瞬間、琉聖の瞳が悲しそうな色に染まり、まるで自分の泣き顔を見てるみたいだった。
「言っただろ。何かあったら俺に言えって」
ギュッと抱きしめられた身体は、すっぽりと彼の中へと収まりそして温められていく。
「りゅ…せ…っ…」
私の心の一部がガラガラと、まるで音を立てて落ちていく。
「わた…し、もう…苦しくて…仕方ない…どうしたら…いいッ…」
溢れ出す涙は終わりを知らない。止めどなく琉聖のシャツを濡らし続けた。
「たす…けて…」
「莉愛…」
琉聖の強い温もりに包まれながら、ただひたすらに涙を流したんだ。