Silver Night-シルバーナイト-
「えっと、下だと男の人ばっかりで居づらいですよね…?だから悠真、ここの方が良いんじゃないかな?」
「いや、でも…莉愛ちゃんはそれで良いの?」
やっぱり悠真は私の為に断ってくれたのか。だとしたら彼女には申し訳ない事をしたな…
さっきの不安そうな顔を見たら、さすがにほっとく気にはならなかった。さっきまで泣いてたみたいだし…
でもこんな気持ちの中こんな事をするなんて、私って実はお人好しだったのかもしれない。
まさに自分の首を自分で締めてる気分。
悠真はそんな私に「やれやれ」とでも言いたげに困り顔をすると、少ししか開いていなかったら扉を「どうぞ」と言って大きく開いた。
白い手足に大きな瞳。儚げで女性らしくて…綺麗なヒト。
「あの、ありがとうございます」
私の斜め前のソファーに座った彼女は、ぺこりと一度お辞儀をすると緩やかに笑って見せた。
「いえ…」
でも、中に入ってもらったのは良いものの……どうしたら良いんだろうこの状況。気まずい…気まずすぎる。
でもだからって、陽気に話しかけるようなキャラでも無いし…そんなコミュ力だって私には備わっていない。