Silver Night-シルバーナイト-
雨宿り
喉が焼けるように痛い。
熱くて熱くてジリジリとした感覚に襲われる。
……頭も背中も、体の節々の痛みで目が覚めた。
しかし、目が覚めたと同時に自分が今まで眠っていたんだということを自覚する。
私、さっきまで何してたんだっけ…
何処にいたんだっけ…そんな事が頭をよぎるけれど、視界はボヤけて定まらない。
うっすらと開いた瞳の先に映るのは薄暗い景色。もう夜なのだろうか。
ゆっくりと身体を起こそうと力を入れるけれど、寝返りをうつのがやっとで、次第に少しずつ冴えて来た視界に、知らない場所だとやっと分かった。
「やっと起きたか」
ボーッとする頭で誰の声か考えるけれど、私の知っている聞き慣れた声ではない。そんな事を思いながらゆっくりとそちらへと振り返る。
「…あなた、どうして」
そこにいたのは、黒雅のトップ新。
新はさっき着ていた服とは違いラフな格好になっていて、濡れた頭をバスタオルで拭きながらこっちへと歩いて来た。
「まぁ、雨の中いきなり倒れられたらそのまま放っとくわけにもいかないし連れて来た」