Silver Night-シルバーナイト-
でも、何故。
意図がわからない…だって私はシルバーナイト側の人間で…助けてくれるとは思えない。助けられる義理もない。
……この人って、もしかして良い人なの…?
でも、黒雅のトップであることは間違いなくて…そして黒雅は危険なチームだと言われてる。
そんなチームのトップが無害なわけがない。
「…どうして」
そう小さく言うと、ベットに座ったまま私を見てる新がバスタオルを床へと落とす。
「興味がある、梓のお気に入りに」
それはどこか冷めた瞳で、何も写してないみたいに遠くを眺めた。
やっぱりこの人は怖い。何を考えているのか全く見て取れない。
「…梓のお気に入りなんかじゃないです」
「嘘付いても逃がさないけどな」
「本当です、私を捕まえても梓は来ない」
それは切なげに、まるで自分を言い聞かせるみたいに私自身を言葉が包んでいく。
「何でそう思うんだ?」
何で……何でと言われても…
梓には他に大切な人がいて…それは私じゃないから。ただそれだけの簡単な事だ。だからあの子を置いて私を助けに来たりはしない…
「まぁでも別に、人質として連れて来たわけじゃない」
「……え」
「単純に興味がある、君に」