Silver Night-シルバーナイト-

「なら、お前はこれからどうしたいんだ」



未だ少し納得していないようにそう見える琉聖は、そう言って私を見下ろしてきた。



「…私、梓を苦しめてた。自分ばかりが辛いと思いこんで…梓の優しさに勝手に浮かれて…」



梓を悩ませて…苦しめてた。


だけど、あの時の事を考えると少しは私の事を考えてくれてたってことなのかな…



何処か少しでも良いから、私を想ってくれていたのかな。


もし、そうだったらいいな…。


「私、もう梓を追いかけるのをやめる。この気持ちがそう簡単に消えるとは思えないけど…だけど、これ以上気持ちが大きくならないように距離をとらないとってそう思うの…」



静かでハリのない声が部屋に響いて、少し間を開けた後。琉聖はため息をつき一度私の頭をポンっと撫でると



「それがお前の出した答えなら、俺は応援するしかねェな」


「…琉聖、ありがとう」



さっき悠真は、梓を幸せに導くのは私だとそう言ってくれた……



けどね、だけど。もう私から手を伸ばす事は出来ないよ…これ以上…出来ない。



梓を追い詰めたくない。



そして何より……

自分がこれ以上傷付くのが怖いんだ。